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ノジ マリン

IMO の発表 : PSC (ポート ステート コントロール) の共同体制の推進


昨夜、私が関係している船籍国主管庁から、IMO (国際海事機関) の、

” PSC Regime move to boost collaboration, harmonization and

information sharing “ と題した11月6日付けの Press Release

について連絡をいただきました。

現在世界中に Paris MOU, Tokyo MOU, US Coast Guard 他

10 の PSC検査体制がありますが、それらのシステムを協力、

均一化、そして情報の共有をしていこうという提案が出されて

いるそうです。

又、現在、船籍国の Black / Gray / White という ランク付けに

よって、その船籍国の船に 「目をつける」 という方法から、

各船ごとにその船の Risk Profiling を行っていこうという方向に

変わっていくそうです。

登録隻数の少ない船籍、例えば10隻の内の1隻がDetain(拘留)

されたら、いきなり10%の船が拘留 = Gray Rank。

一方、1000隻の登録船がある船籍国の船が10隻も

Detain されても 10/1000 = 1% = White Rank ( 実際の計算は

もう少し色々な要素を加味していますが ) なんて、不公平感が

あるのも事実です。

1隻が1の害を振り撒けば、害は1ですが、1の害を10隻が

出せば、世界に10の害が撒き散らかされるという感じ???

ま、人間でも国籍に関係なく、善人もいれば悪人もいますからね。

この件については多くの海事誌が掲載しております。

平成27年初頭に発刊の日本海事補佐人会会誌15号にも寄稿

させていただきましたが、ヨーロッパのParis-MOUが行っている

THETIS (The Hybrid European Targeting Inspection System)

という船のRisk Profiling システムには “Sanction “、つまり

「制裁措置」 が盛り込まれています。2年間の間に3回 Detain(拘留)

された船はEU水域へ立入禁止というものです。

アジア地域のTokyo-MOU の場合は NIR (New Inspection Regime)

という同じようなシステムがありますが、こちらは制裁措置は

ありません。

一般的な言い方で言えば、前述の10のPSC検査体制の、どの

「きびしさレベル」 に合わせるのかという点が気になりますね。

何事でもそうですが、皆が皆優等生で崇高な理想を達成できる

なんてことはありえませんので。

現在は制裁措置を盛り込んでいないアジア地域のPSC も

(但し、制裁はありませんが、成績の悪い船にはしょっちゅう

PSCさんが訪船してきます) 将来的に制裁措置を設けるかも

しれませんね・・・。

世界の海には大小、老若、色々な船籍の色んな船がいます。

老齢でもしっかり頑張っている船もあれば、若くてもだらしない

船もいます。 人間とおなじですね。

(写真の船はイメージで、Detentionには関係ありません)。


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