日頃みなさんが目にする鎖(チェーン)といえば、駐車場の入り口などに
張ってある鎖が一般的ですね。
船には錨がついており、それをつないでいるのが鎖 - アンカーチェーンです。
船の大きさによって、錨やアンカーチェーンの大きさも違ってきます。
その大きさ、太さ、長さなどは船の設計段階で、規則によって決められています。
先日、久々に 新しく建造された、30万重量トン (船の長さは約340 m です) の
大型タンカーに訪船しました。
写真はこの船に装備されているアンカーチェーン、大きいでしょ?
私の手尺が 20 cm ですので、大きさを比べてみてください。
アンカーチェーンの製造時の検査項目は、主要船級協会でほぼ同じです。
船級協会によっては、衝撃試験を行う試験片(テストピースといいます)を、
マイナス20度に冷やした場合のテストとか、若干追加項目もありますが・・・。
あとは、いくつかのLink を機械でギュ~ッと引っ張ったり、色々な試験をします。
そして、アンカーチェーンも長年海で使っていると錆びて、だんだん痩せてきます。
その限度は規則で決められている径の 0.88倍、つまり12%減少すると取替が必要です。
時々アンカーチェーンが切れて、錨が無くなってしまうという事故も発生します。
ちなみに普段、沖で停泊(錨泊)している船は、海の底に横たわっているアンカー
チェーンの重さで船がその場から動かないようになっています。
目には見えませんが、船の長さより長いアンカーチェーンが海の底に横たわって
います。

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