top of page
検索
執筆者の写真ノジ マリン

月・星・太陽  三光汽船 の想い出

更新日:2月29日

ニュースで 三光汽船 が90年の歴史に幕を下ろすと書いてありました。

以前の My Mother Ship のページに書いた通り、同社は私が商船学校

卒業後に入社した会社です。

3つの光の意味は、月・星・太陽。 月光丸・星光丸・陽光丸という社船も

いました。

学生時代、先輩が何社かの船会社の少し古い会社案内をくれて、それを見ていました。

図書館の入口にも何社かの船会社の社内報が置いてあり、読んでました。

今思えば、群れることが好きでない自分の性格が三光汽船に合っていたような感じです。

ま、給料も他社に比べてずいぶん良かったのもありますが・・・。

 

ブラジルの リオ グランデ 停泊中に朝帰りをして、士官サロンの入口で

機関長に会った時、機関長が「オイ、つぶれたぞ」と言われました。

停泊中で主機は止まっているし、発電機の音も聞こえるし、「ボイラか何かですか?」と

訊くと、「カイシャ!」と言われた光景を今でもはっきり覚えています。

ブラジルの新聞でも大きく報道されました。

その半日後には日航機の墜落事故があり、日本人移民の多いブラジルでは

日航機のニュース一色になりました。

 

新入社研修で色々と教えられましたが、今でも習慣として身に付いているのが

(船員生活と現在の陸上生活の違いはありますが)、下記の2点でしょうかな・・・。

 

1). 自分で持てない、つまり他人の手を借りないと運べないような大きな荷物を乗船時に

  持ってくるな。

  今でも出張の荷物はコンパクト、下着から服も薄手を意識してます。

 

2). 外地乗船時はパスポート・船員手帳・海技免状は肌身離さず持っておくこと。

  (同期入社の人で、パリの空港で置き引きされ、強制送還ということもありました)。

  息子には 「大阪のオッサンや」 と言われますが、「多機能ベスト」、愛用してます。

 

自分が三光にいた頃は、ロッテルダム、リスボンのドック、シンガポール他、

色々な港で同じ会社の船を見かけたものでしたが、写真の船は数年前、久々に

クルージング中に東播磨港で見かけた三光の船です。

懐かしい船体&ファンネルのマークに昔を想い出した次第です。


ちなみにこの緑色の船体と居住区の薄黄色の配色、合併前の旧三井船舶の船の色を

三光汽船が頂いたと聞いた記憶があります。


三光時代に、世界の海を駆け巡ってたVLCCを台湾にスクラップ回航、最後まで動いていた

非常用発電機を止め、鼓動が止まった真っ暗な、静まりかえった船内から最後に下船した時と

同じような、寂しい感じです。



閲覧数:73回0件のコメント

留言


bottom of page