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執筆者の写真ノジ マリン

船の救命設備について

北海道での痛ましい事故に関連して連日テレビでは色々な方々が

救命設備云々についてもお話をされています。

一般の方がまず頭に浮かぶのは救命胴衣(ライフジャケット)と

救命浮環(ライフブイ、つまり浮き輪)ですね。

昔のタイタニック号の映画でもあったように、救命胴衣を着けて海に

飛び込んだ人たちも水死ではなく、低温の海水で命を落としてしまうという

現実が今回の事故でも起こってしまいました。

大型船の場合、低温の海水下に対応するためイマーションスーツ (ウエット

スーツをイメージしてください) の備え付けが義務付けられていますが

折りたたんで袋に入った状態でも結構かさばります。

小型船用の救命胴衣のサイズと比べると4~5倍のボリュームでしょうか。

狭い小型観光船の船内にそれを定員分備えるのは現実的に難しいかと。

膨張式のライフラフト云々を話されていた方もいらっしゃいましたが、今回の

事故を起こした船の場合、それに代わる手段として船の上部に固形式救命いかだを

積んでいたと思います。膨張式があったとしても、それ自身は浮かんでいるだけで

操縦はできないので、広い海面ならともかく、あれだけ波の荒い岩場でどれだけ

持ちこたえられるか疑問です。


先日クルージングから戻ってきたら、ちょうど入港中の大型船の乗組員が

救命艇操練を行っていました。

週ごと、月ごとと定期的な点検、訓練が法律で決められており、3カ月に一度は

実際に救命艇を水面に進水させての訓練が必要です。

写真の左側の小さい艇は「救助艇(レスキューボートといいます)、定員は6名」、

その名の通り、海に落ちた人を救助したりします。

右側は救命艇(ライフボート)です。救命設備の色は発見されやすいようにオレンジ色。

(尚、乗組員さんの服の色はたまたまオレンジ色だっただけです・・・)

プロの船員さんは日々訓練を重ねていますが、旅客の場合、ほとんどはプロではなく、また、

子供さんや年配の方も多くいらっしゃいます。

その人たちを安全に誘導するのが乗組員の義務です。

大型船と小型観光船とはもちろん設備も適用法律も違いますが、法律・規則というのは

「これだけは最低限、守ってくださいよ!!」 という最低限のことを決めているのであり、

全ての物が備わっていてこれで安心というわけではありません。

あれも装備、これも装備となると肝心のお客さんが乗るスペースが無くなってしまいます。

旅客機に乗ってもパラシュートが備わっていないのと同じです。

今回の事故も原因はまだ判明していないので何とも言えませんし、また専門的な話も今ここでは

書きませんが、少なくとも 「海の怖さを知っている人たち」 が運航されていたら今回の事故は

起こらなかったのではと思います。

行方不明の方々が早く見つかりますように。



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