今年のPSC集中取り締まりキャンペーンのテーマ
- ノジ マリン
- 2021年2月4日
- 読了時間: 2分
先日Tokyo MOUのPress RelieseでRemote会議が行われたと載っていました。
その中で、毎年秋に行われるPSCの集中取り締まりキャンペーンについて書かれていました。
コロナ騒動で昨年秋に 予定されていた「船の復元性」 関連をテーマにした集中取り締まりは
コロナ騒動の今後の状況にもよりますが今年に延期です。
ちなみに2022年はSTCW、2023年はFire safetyがテーマとの事です。
海事関係以外の方で 「復元性って?」 と思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。
ここでいう復元とは、割れた壺を元の形に復元するというような意味ではなく、浮かんでいる船は
揺れますが、揺れても転覆することなく元に戻るということです。
よく赤ちゃんが遊んでいる 「起き上がり小法師」 と同じ原理、つまり重心の位置の関係です。
船は設計の際にこの復元性を考えて造られ、竣工後も一等航海士が積荷や燃料、バラスト水の
量や位置を考慮して、船が安全な重心になるように計算して航海しています。
しかし、荒天や衝突で積荷の荷崩れが発生したり、船倉や機関室に浸水したりすると、船の
重心が変わってしまい(又、浮力も減り)、つまり、安全でない重心の位置になってしまい、
転覆する恐れがでてきます。
公園の池で乗るボートも座って漕いでいる時は安定していますが、立ち上がったりすると
重心が上の方になってしまい、グラグラして危ないのと同じです。
下の写真は衝突で左舷に大穴ができ、機関室が完全に浸水してしまったコンテナ船です。
(後部甲板は水面下に沈んでしまっています)。
居住区から後方の積荷(コンテナ)は右舷側へ傾いていますが、幸い居住区から前方の
大半の積荷(コンテナ)は被害も傾きもありませんでした。
もし前方の多くのコンテナまで同時に傾いていたら非常に危険な状態になったと思います。
余談ですが、揺れるという横方向の危険以外に、この時は縦方向の危険な状態でもありました。
普段なら水の無い機関室に数千トンの海水が充満、船の後方に余分な荷重がかかり、
船を曲げようとする力が増していました。

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